家庭用脱毛器は、光で毛根に熱ダメージを与えて脱毛していく不思議な機械。
ぱっと見た感じ、肌が荒れたり焼けたりすることもないけれど、皮膚に入り込んだ毛が生えにくくなるのかぁって思うと、身体への副作用やシミ・そばかすが増えないか?なんてことも気になったりならなかったり。

そんな光脱毛器の仕組みや副作用についてまとめてみました。
これから光脱毛をはじめたい方など、よろしければ参考にしてください。
家庭用脱毛器は体に悪い?|内臓への影響
家庭用脱毛器の光は内蔵に届かない
光脱毛器の作用は、出力される光の波長によるものです。
そして、家庭用光脱毛器で照射される波長はおよそ420nm~1100nm程度。

光は化粧品よりも深く人体に浸透しますが、人体には血液や水分といった光を拡散・吸収する要素が沢山あるので、内蔵や大きな血管にまで浸透することは物理的にありえません。
もっと言えば、最も深く人間の体に入り込む波長は上記の中でも700nm~1100nmの帯域ですが、浸透できる距離はせいぜい1.4mm程度。
内臓や大きな血管には届かない距離です。
\各種レーザー光の整体組織への浸透深さ/
出典:文科省
ちなみに、人体へ悪い影響を及ぼすのはもっともっとスペクトルの低い「X線」や「紫外線」。
脱毛器にそれらの有害波長は含まれないので、内蔵への悪い影響について心配する必要はありません。
家庭用脱毛器は体に悪い?|肌への影響
家庭用脱毛器で起こりうる肌トラブルについて
脱毛器は、正しくケアをしないと皮膚トラブルをおこす可能性があります。
【光脱毛器で起こる可能性がある皮膚トラブル】
- 火傷
- 腫れ
- 乾燥
- 色素沈着
光が肌を直接熱することはないのですが、メラニン色素を多く含んだ毛やほくろが光照射で熱を持つ時、その周辺の細胞がもらい事故のようにやけどを起こすことがあります。
コレが、脱毛器で肌トラブルを起こすパターンです。
【光脱毛器が脱毛する仕組み】
- フラッシュ式脱毛器:メラニン色素に熱エネルギーを照射し、毛根にダメージを与えます。
- レーザー脱毛器:基本的にはフラッシュ式と同じ原理ですが、光脱毛器よりも波長域を絞ってピンポイントに毛根を熱攻撃します。
ただし、脱毛は正しい手順でケアすれば、かなりの確率で肌トラブルを回避できます。
【肌トラブルを回避する 正しいケア】
◎剃毛しておく

- 肌表面にムダ毛が残っていると、ムダ毛が熱を持って火傷する可能性があります。
- 焦げた毛が脱毛器にくっついて汚れるといった弊害もあります。
◎アイシング

- 火傷の第一処置は冷やすことです。痛みを感じたときは、出来るだけ早急に保冷剤などで冷やしてください。
- 光脱毛のトラブルも症状は火傷と同じなので、痛み・熱さを感じたときは速やかに照射エリアを冷やします。
- 万一トラブルが起きたときは、この初動が回復に大きく影響します。
- 照射前のアイシングには、痛み緩和だけではなく熱ダメージも最小限にしてくれる効果があります。
- 痛みが強い方、腫れやすい方は、充分にアイシングしながらケアすることで、肌トラブルを軽減することができます。
◎保湿

ケア後の保湿は、痛みや熱っぽさを感じてなくても必ず行いましょう。
- 火傷した肌は熱ダメージにより乾燥しやすくなります。痛みを感じたときは、特に入念に保湿してください。
家庭用脱毛器は体に悪い?|皮膚がん
家庭用脱毛器の光でがん化することはない
「脱毛器の光が皮膚がんを招くのでは?」と心配するひとがときどきいますが、皮膚に深刻なダメージを与える光線は紫外線です。
脱毛器には含まれていない光線なので、特に心配する必要もありません。
【紫外線について】
- 紫外線は10nm~400nmのスペクトルの短い波長。
- 物質の性質を変える光化学作用があり、直接DNAに損傷を与えたり、酸化ストレスを引き起こす性質があります。
※脱毛器の光には含まれない。
家庭用脱毛器は体に悪い?|硬毛化
脱毛処理では一定の割合で硬毛化がおこる
硬毛化とは脱毛によって次の症状が現れることです。
【硬毛化の症状】
- 脱毛処理をした箇所の毛が濃くなった。
- 毛が生えていなかったところから毛が生えるようになった。
硬毛化は、脱毛処理すると低確率で起こるリスクで、100%防ぐことは出来ません。
ただし、脱毛処理は1度だけで終わるものではないので、数回繰り返すうちに硬毛化したムダ毛もまとめて脱毛していくので、気にし過ぎないのがポイント。
ちなみに、脱毛サロン・クリニックで発生したものの場合、スタッフに申告すれば無料で追加処理してくれるコトもあるので、気づいた時には気軽に相談してみるのがおすすめです。
家庭用脱毛器は体に悪い?|毛嚢炎
脱毛処理と毛嚢炎について
脱毛処理をすると、処理したエリアにニキビによく似た毛嚢炎という炎症を起こすことがあります。
脱毛器の中でもレーザーなどの高出力で照射した場合に、発生リスクが高まるとされています。
【毛嚢炎とは?】
- 見た目:軽度の場合は白ニキビ・赤ニキビと同じ見た目。
- かゆみ・痛み:痛みはなく、ニキビのような硬い芯もない。
- 治療:軽度の場合は自然治癒に任せる。痛みを伴うときや多発したときは抗菌薬・内服薬を利用する。
ニキビの治療にはイオウ・グリチルリチン酸ジカリウム配合の薬を使いますが、毛嚢炎の場合は抗菌薬を使います。
\市販の抗菌薬も有効/
毛嚢炎とニキビは見た目こそ似ていますが、ニキビ薬を使っても効果はありません。
ただ、どちらも毛穴に細菌が入り込んだときに起こる症状なので、予防方法は同じです。
【毛嚢炎・ニキビの予防方法】
- 肌を清潔に保つ。
- 保湿を充分に行う。
- カミソリを使った除毛は行わない。
見た目でどちらかを判断するのは実は難しかったりしますので、ぽっち周囲のかゆみ具合や芯の有無などで判断するのが一般的です。
普段できたことがないところに出来た場合も、毛嚢炎の可能性が高いですね。
毛嚢炎もつい弄りたくなりますが、むやみに触ると色素沈着を起こしたり、炎症が激しくなる可能性があるので、出来るだけ刺激しないようにするのがポイントです。
家庭用脱毛器は体に悪い?|永久脱毛
永久脱毛に副作用はない
家庭用脱毛器では永久脱毛はできませんが、近い状態になることはありますね。
「永久脱毛≒今後ほとんど毛が生えない状態」と仮定して話をすすめますが、永久脱毛になったとて、副作用と呼べるものは思いあたりません。
◎毛穴の作用は?
- 毛は無くなっても汗腺や毛穴が無くなるワケではないので、発汗作用や皮脂分泌は正常に行われます。
- 毛穴の機能自体に大きな問題は起こりません。
◎防御機構は?
- 「大切な部位を物理的・紫外線から守るものが無くなる!」という方もいますが、現代ではみんな洋服や下着を身に着けるので特に影響はないでしょう。
- むしろ、不衛生さから解放されるなど、メリットの方が大きいのでは?と思います。
家庭用脱毛器は体に悪い?|レーザー脱毛
レーザー光線は皮膚の奥深くに浸透しない
家庭用レーザー脱毛器の光質もフラッシュ式脱毛器と同程度で、光線が皮膚の深くへ到達するようなことはありません。当然、内蔵への影響は皆無です。
せいぜいが、火傷による肌トラブルに注意する程度。
ちなみに、レーザー方式はフラッシュ方式よりも出力が強いので、やけどリスクは高くなります。
対処方法はフラッシュ式脱毛器と同じですが、痛みを我慢せずにケアすることが大事です。
【ケアのポイント】
- 剃毛
- アイシング
- 保湿
家庭用脱毛器は体に悪い?|脱毛できない場所
眼球・ほくろ・性器・粘膜への照射はできない
最近は、皮膚の薄いデリケートゾーンをケアできる脱毛器も出てきましたが、以下だけは絶対に照射してはいけない場所です。
◎眼球

- 網膜に直接照射してしまうと失明の危険性があります。
- 特に日本人は角膜が黒いので危険度が高いです。
- 眉下やまぶたも眼球に近いので絶対にNGの箇所です。
◎ほくろ

- ほくろには熱エネルギーが集中するので、かなりの確率で火傷します。
- ケアする時には、ほくろシールなどでのカバーが必須です。
◎性器

性器は皮膚が薄いので傷つきやすく、毛細血管も集中しているのでとてもデリケートな部位。色素沈着も起こりやすいので直接照射はNGです。
◎VIOについて
VIOは、エリアの特徴として色素沈着が起こりやすく、毛も丈夫なことがほとんど。
つまり、ケアするとカナリ痛い場所。

対応機でないならやらない方がいいのですが、最終的には自己責任。
どうしてもやりたいときは充分にアインシングしながらケアしてくださいね。

ちなみに、VIO対応機は何が違うかというと、ソフトな光を照射できるところです。
1ショットのパワーを分割したり、フィルターで波長域を制限するなど、イロイロと手が込んだ作りになっています。
家庭用脱毛器は体に悪い?|妊娠・生理中

妊娠・生理中は避けるのがベター
妊娠・生理中は、ホルモンバランスの変化によって肌や感性がデリケートになっている時期なので、脱毛処理は控えるのが一般的です。
【妊娠・生理中に発生しやすいリスク】
- 痛みを感じやすくなる。
- 肌が荒れやすくなる。
- 脱毛効果が出にくくなる。
ちなみに、妊婦さんに脱毛したからとて、胎児に影響があるなんてことはありません。
家庭用脱毛器は体に悪い?|よくあるQ&A
ときどき口コミとかでも見かけますが、特にエビデンスのある事例ではないようです。
脱毛器の光が妊娠中の人体に害を及ぼすことはありえません。
ただ、妊娠中は精神的にも肉体的にもデリケートな時期。
脱毛器とは直接関係ないところからトラブルに発展する可能性もあるので、脱毛器メーカーやクリニックでは、大事をとって控えているというのが正直なところです。
家庭用脱毛器は体に悪い?|まとめ
家庭用脱毛器の光は、約420nm~1100nmの中~長波光。
有害な紫外線やX線を含まないので、身体の内部に悪影響を及ぼすことは、まずありえません。

考えられるリスクは火傷による肌ダメージくらいでしょうか。
ただ、熱ダメージは充分なアイシングで大幅にリスクを軽減できるので、それほど心配しなくても大丈夫。
特に家庭用脱毛器は、クリニックのレーザーなどと比べれば格段に出力が低いので、大事に痛くことはまずないです。
注意したいのは、痛みを我慢するだけでアイシングも保湿もしないこと。
アイシングで緩和できないほど痛いときは出力が高すぎなので、無理のない出力まで落としてケアするようにしましょう。
参考:文科省サイト
⇒家庭用脱毛器は効果なし? 詳細はコチラ