高級マットレスのなかでも人気の高いエアウィーヴとテンピュールを、いろんな視点とスペックで比較しました。
2点で比較・検討されている方、よろしければお役立てください。



エアウィーヴとテンピュールならどっち?
エアウィーヴ・テンピュールに共通する特徴は次の2つです。
- 沈み込み過ぎない硬めのサポート力がある。
- 多層構造で幅広い体格の方にマッチする。
逆に、大きく異なる点は次の3つです。
- 通気性:エアウィーヴが圧倒的に優れる。
- 反発性能:高反発より・低反発よりに分かれる。
- サポート力:高体重の方には245Nのテンピュールでないと耐えられない。
おすすめの選び方は次のとおりです。
- 80kg以上の方:テンピュールがおすすめです。
ファイバーは閾値を超えると一気にヘタるので、粘り強く長期間サポートしてくれる高密度ウレタンの方がおすすめです。 - 直置きしたい方:エアウィーヴ スマートZ01(三つ折り)がおすすめです。
直置きでもカビにくい通気性と、折りたたみができる三つ折り形態、水洗いもできるメンテナンス性に優れています。 - 寝心地を高めたい方:テンピュールがおすすめです。
芯は高硬度ですが、表層の触感が素晴らしく、体圧分散性に優れるため寝心地がよいです。
エアウィーヴ・テンピュールの性能比較一覧は次の通りです。
【エアウィーブ・テンピュール 仕様の比較一覧】
要素 | エアウィーヴ | テンピュール |
価格 | 49,500円~396,000円 | 52,800円~429,000円 |
通気性 | ◎ | 〇 |
硬さ | 硬め | 119N~245N |
体圧分散 | ふつう | 良い |
ヘタリ保証 | 3年 | 10年・15年 |
お試し | 30日間 | 60日間 |
エアウィーヴ・テンピュールは、素材・特性がけっこう違うので、単純比較するのは難しいですね。
また、どちらもラインアップが豊富なので幅広い方が利用できるのも悩ましいトコロです。
ただし、身体が大きい(体重80kg以上)方だけはテンピュールを選ぶ方が無難です。
エアウィーヴ テンピュール|価格 比較
価格の比較
エアウィーヴ・テンピュールの価格 比較・一覧は次の通りです。
【価格(税込)】
厚み(cm) | エアウィーヴ | テンピュール |
6 | 101,200円~ | 52,800円~ |
7 | 66,000円~ | 96,800円~ |
21 | 132,000円~ | 209,000円~ |
25 | 176,000円~ | 242,000円~ |
素材自体が全く別モノなので、金額だけを単純比較することに大きな意味はありません。
ただ、テンピュールの方が3割程度高額なことだけは確かですね。

エアウィーヴ テンピュール|素材 比較
芯素材の比較
エアウィーヴ・テンピュールの芯素材 比較・一覧は次の通りです。
【芯材の素材】
エアウィーヴ | テンピュール |
エアファイバー | ウレタン |
芯材は、マットレスの性質を左右する最も重要なパーツです。
- ウレタンの特徴:安価・軽量・性能(硬さ・通気性・反発力)のカスタマイズが容易。
- ファイバーの特徴:通気性・高反発・耐水性。
素材そのものに優劣はつけ難いですが、ファイバーの通気性と反発力に関しては、ウレタンのそれよりも圧倒的に優れた性能があります。

エアウィーヴ テンピュール|硬さ 比較
硬さの比較
エアウィーヴ・テンピュールの硬さ 比較・一覧は次の通りです。
【硬さ:N値が大きいほど硬め】
エアウィーヴ | テンピュール |
硬め | 119N~245N |
ファイバー素材には、ウレタンのような硬さの指標(N値)がありません。よって、体感レベルで「硬め」と評価しています。
なお、テンピュールでは硬さのバリエーションが豊富で、「ふつう~かため」のラインナップを網羅的に取り揃えています。
JIS規格のN(ニュートン)値と硬度の定義は次の通りです。
【硬さのスペックとN値 対照表】
区分 | 用語(表示名) |
110ニュートン以上 | かため |
75ニュートン以上110ニュートン未満 | ふつう |
75ニュートン未満 | やわらかめ |
データソース:消費者庁HP
ちなみに、芯の硬さと横になったときの触感は別モノです。
【芯の硬さと横になって感じる硬さについて】
マットレスは、カバーに織り込まれた詰め物や多層構造の影響で、寝た時の感じ方が大きく変化します。
特に、10cm以上の厚みを持つマットレスには、柔らかい層がトッピングされることが多く、スペック以上にふんわりとした触感になります。
\テンピュール 断面図/
厚みのあるマットレスは、ベースの高硬度ウレタンに柔らかいウレタンがトッピングされた多層構造をもつのが主流。
なお、エアウィーヴは 10cm以下の薄いモデルにも詰め物をふんだんに使っているので、どの製品もファイバー硬度以上にふんわりとした寝心地になります。
\エアウィーヴ 断面図/
エアウィーヴ テンピュール|反発性 比較
高反発・低反発の比較
エアウィーヴ・テンピュールの反発性 比較・一覧は次の通りです。
【反発性能】
エアウィーヴ | テンピュール |
超反発 | 低反発 |
反発性能は対極の性質を持ちます。
- 高反発マットレスのメリット:寝返りが打ちやすい・沈み込み過ぎない・睡眠サイクルを最適化する・疲労回復効果が高い。
- 低反発マットレスのメリット:軽量の方にも充分な体圧分散を行う・振動が伝わり難い・長時間同じ姿勢で休める・寝心地がいい。
ちなみに、どちらも多層構造によって高・低反発特有のデメリットを打ち消しているので、性能のメリットのみが際立ちます。
【反発性能のデメリットについて】
反発性能にはデメリットも付きまといます。
例えば、低反発だと寝返りし難い・蒸れ易い…、高反発だと硬くて寝心地が悪い・体圧分散性に劣る…などです。
エアウィーヴやテンピュールのような多層構造マットレスは、異なる素材を組み合わせることでデメリットを上手く相殺するため、メリットのみを際立たせることができます。
例)低反発でも寝返りしやすい・高反発でも柔らかい‥‥など。
エアウィーヴ テンピュール|寝心地 比較
体圧分散性の比較
エアウィーヴ・テンピュールの体圧分散性 比較・一覧は次の通りです。
【体圧分散性】
エアウィーヴ | テンピュール |
ふつう | ふつう~良い |
「体圧分散=表層が柔らかい」です。
肘をついたり、マットレスの上で立つとグイっと沈むのに、寝てみると面で支えられているような寝心地になるのが特徴です。
エアウィーブは、ほぼ詰め物の厚みのみで体圧分散を行っているので、際立つほど体圧分散性は高くありません。
対して、テンピュールはどのモデルも体圧分散性に優れています。
よって、身体の小さい方・筋肉の少ない方ほど、テンピュールの方が心地よく感じると思います。
エアウィーヴ テンピュール|通気性 比較
通気性の比較
エアウィーヴ・テンピュールの通気性 比較・一覧は次の通りです。
【通気性】
エアウィーヴ | テンピュール |
◎ | ○ |
エアファイバー | オープンセル |
エアウィーブの通気性は圧倒的で、テンピュールのオープンセルウレタンでも敵いません。
\エアウィーブは目は粗いので水も空気もぐんぐんすり抜ける/
ちなみに、普通のウレタンフォームに通気性は皆無ですが、テンピュールのウレタンはオープンセル構造をしているので、非常に通気性がよいです。
ウレタンフォームの内部にはたくさんの気泡がありますが、一般的なウレタンフォーム(下図左)だと気泡同士は繋がっていないので通気性は皆無です。
対して、オープンセル(下図右)には、気泡間に無数の通気孔があるため、ウレタン内部を空気が通過できます。
\オープンセル構造 図解/
【マットレスの通気性について】
- 通気性には、寝ている間の体温や湿度を調整する役割があり、睡眠の質と眠りの維持に欠かすことができません。
- また、ダニ・カビの発生リスクを減らし、マットレス自体の耐久性を伸ばしてくれます。
エアウィーヴ テンピュール|重さ 比較
重さの比較
エアウィーヴ・テンピュールの重さ 比較・一覧は次の通りです。
【重さ】
厚み(cm) | エアウィーヴ | テンピュール |
6 | 7kg~ | 6.7kg~ |
7 | 7kg~ | 11.8kg~ |
21 | 22.5kg~ | 26.7kg~ |
25 | 24.5kg~ | 30.2kg~ |
重さは、上げ下げ・収納・メンテナンスのやりやすさに影響しますので、腕力に自信のない方はチェックしておきましょう。
なお、床に直置きする方や押し入れに出し入れする方は、軽さよりも折りたたみできるものを選ぶのがおすすめです。
\直置き・収納する場合は三つ折りできるものを選ぼう/
● ソファーとして使える
三つ折り構造のマットレスは、角の揃った立方体になるため、シーツをかければソファーになります。
\三つ折りタイプの収納&ソファー利用イメージ/
● 自立しての部屋干しができる
三つ折りタイプは、ゆるいZ型で横向きにすると、狭い空間でも部屋干しができます。
壁に立てかけることなく部屋干しできるため、空間が限られている方にも便利です。
\三つ折りタイプの室内干しイメージ/
ちなみに、エアウィーブは通気性が驚くほど高いので、床に直置きした場合はテンピュールよりもカビ難いというメリットがあります。
【三つ折りモデル】
- エアウィーヴ:エアウィーヴマットレスZ01
- テンピュール:テンピュールフトンシンプル
エアウィーヴ テンピュール|厚さ 比較
厚さの比較
エアウィーヴ・テンピュールの厚さ 比較・一覧は次の通りです。
【厚さ ラインナップ】
厚み(cm) | エアウィーヴ | テンピュール |
3 | ● | – |
4 | ● | – |
6 | ● | ● |
7 | ● | ●(三つ折り) |
9 | ●(三つ折り) | – |
18 | ● | – |
21 | ● | ● |
25 | ● | ● |
30 | – | ● |
マットレスは、厚みが増すほど底付き感が減り、寝心地がマイルドになります。
マットレス本体の耐久性や性能の安定性も上がるので、「厚いものほど上質」は、あながち間違いではありません。
なお、マットレス単独で使う場合、厚みは 最低でも8cm以上 がおすすめです。
エアウィーヴ テンピュール|寿命 比較
耐久性の比較
エアウィーヴ・テンピュールの耐久性 比較・一覧は次の通りです。
【密度】
エアウィーヴ | テンピュール |
製品保証:3年 | 非公表/製品保証:10年・15年 |
ウレタン製品の耐久性はウレタン密度(D)値で予測できるのですが、テンピュールではスペックを公表していませんので、製品保証を耐久性の目安にします。
また、ファイバーには耐久性を示す数値がそもそもないので、こちらもメーカーの製品保証を参考にします。
【メーカー保証年と耐久性について】
あくまでも一般論ですが、メーカー保証が3年以上あるものだと、5年~8年程度の耐久性が見込めます。
なお、エアウィーヴやテンピュールで実施している 8万回圧縮テスト も、10年相当の実利用を証明する客観的データです。
8万回耐久は、基本的に第三者機関にて実施されます。
試験内容は、JIS規格の定変位法が一般的です。
【JIS:定変位法】
- 試験片全体を、素材厚の50%まで連続80000回繰返し圧縮する。
- 圧縮後の復元率を測定する。
復元率(%)=100-繰返し圧縮残留ひずみ(%)
8万回の圧縮は、1日の寝返り平均回数を24回と想定した場合、9年相当の使用に相当すると考えられます。
想定利用年数の計算式は次のとおりです。
- (8万回の圧縮÷1日の寝返り回数24回)÷365(1年日)=9.1年相当
エアウィーヴ テンピュール|保証 比較
保証の比較
エアウィーヴ・テンピュールの保証 比較・一覧は次の通りです。
【保証】
種類 | エアウィーヴ | テンピュール |
お試し | 30日間 | 60日間 |
へたり | 3年 | 10年・15年 |
保証には2つの種類があります。
【2つの保証タイプ】
- お試し保証:◎◎日間以内なら、使っていても返品・返金してくれる保証。
- ヘタリ保証:◎年以内にヘタリが見られたら、無償で交換対応に応じる。
ヘタリ保証があるものほど製品の信頼度は高く、長いものほど耐久性が良いです。
また、耐久性がよいマットレスは、永く使えるためコスパに優れています。
どちらもお試し期間があるので、はじめて使う方も安心して購入に踏み切れますね。
また、テンピュールは品質保証が驚くほど永い高品質製品なので、実はコスパが相当良いです。
エアウィーヴ テンピュール|腰痛 効果
腰痛について
エアウィーヴ・テンピュールは、いずれも腰痛持ちに人気のマットレスです。
どちらがより腰痛向けなのか?に決着を付けたいところですが、腰痛の原因は身体の状態と環境によるので、万人に共通する正解はありません。
ただ、寝起き直後に起きる腰痛は腰が沈み込むことで起きているケースがほとんどなので、必要以上に沈み込まないマットレスを選ぶのがひとつの正解と言えます。
柔らかいだけのマットレスは、次の2STEPで寝姿勢を歪め、腰痛を引き起こします。
STEP1:腰・肩を中心に身体が沈む
人間の体圧は位置によってかかる比率が異なります。
必然的に最も体重がかかるのが 腰部 です。
\横になった時のパーツ毎の体圧比率/
STEP2:反り腰になる
やわらかいだけのマットレスは、背中・腰部が必要以上に沈み込むので 歪んだ姿勢のまま長い時間過ごすことになります。
結果、俗にいう反り腰状態になります。

◎長時間の反り腰は腰痛のもと
反り腰は猫背と同じ歪な姿勢です。
長い時間を反り腰で過ごしていると内臓や腰への負担が大きくなり、やがて慢性的な腰痛や生理不順、冷え症を誘発します。
なお、エアウィーヴもテンピュールも硬さでは拮抗していますが、耐久性と反発力に特徴があります。
- エアウィーヴ:反発力が高く、疲労回復効果に優れる。筋力の多い方・活動的な方に向く。
- テンピュール:ウレタン密度が高く、サポート力と耐久性に優れる。身体の大きい方に向く。
80kg以上の方ならテンピュール、80kg以下の方なら疲労回復効果や硬さの好みでどちらかを選ぶのが良いカナと思います。
エアウィーヴ テンピュール|お手入れ
エアウィーヴもテンピュールも、基本的なお手入れは 室内干し と ローテーション です。
マットレスのメンテナンス方法は基本的に次の2つです。
❶ ローテーション

寝る位置はだいたい決まっているため、一箇所にかかる圧力や摩耗を分散し、マットレスの劣化を緩やかにする方法です。
- やり方:マットレスを上下・裏表を反転させる。
- 頻度:3ヵ月に1度程度
❷ 室内干し
湿気を溜め込みがちなマットレスの上下面を空気に触れさせることで乾燥を促します。
- やり方:通気性のよい室内に、マットレスの上下面が空気に触れるように立てかける。
- 頻度:3ヵ月に1度程度
また、カバーはどちらも完全着脱できて洗濯も可能です。
エアウィーブに至っては、芯材までもが水洗い可能です。
※テンピュール本体は水洗い不可。
テンピュール マットレスの特徴
テンピュールの特徴
テンピュールは低反発マットレスのトップブランドで、NASAが唯一認めた体圧分散性能を備えたマットレスです。

つい「低反発=ただ柔らかいだけ?」と想像しがちですが、高反発素材を組み込んだ多層構造になっているのでサポート力も充分。
腰痛持ちの方や体格の大きい方でもしっかりと支え、睡眠の質をワンランク上げてくれる非常に優秀なマットレスです。
保証やトライアルサポートは業界でもトップレベルに厚く、コスパはかなり良いです。
- 価格:52,800円~429,000円
- 素材:オープンセルウレタン
- 構造:2層~4層
- 硬さ:119N~245N
- 反発性:低反発+高反発
- 体圧分散:良い
- 通気性:〇
- 重さ:6.7kg~52kg
- 厚さ:6cm~30cm
- 耐久性(密度):非公表
- 保証:製品保証10年・15年
- トライアル:60日間(マットレスタイプに限る)
エアウィーヴ マットレスの特徴
エアウィーヴの特徴
エアウィーブは、抜群の通気性と高い反発力のあるマットレスで、疲労回復効果が高く、寝起きのすっきり感を得やすいのが特徴です。
また、ファイバー自体はフラットに硬いものの、厚めの詰め物のお陰でマイルドな寝心地です。
マットレスなのに、芯材までもが水洗いできるのもメリットです。
\エアウィーヴは、芯材もカバーも水洗いできる/
筋肉量の多いアスリートの方や若い方、マットレスを丸洗いしたい方におすすめです。
- 価格:35,200円~396,000円
- 素材:エアファイバー
- 構造:1~3層/ゾーニング
- 三つ折り:スマートZ01のみ可
- 硬さ:ふつう
- 反発性:超反発
- 体圧分散:ふつう
- 通気性:◎
- 重さ:5.5kg~(トッパー)/9kg~(三つ折り)/17kg~(マットレス)
- 厚さ:3cm~7cm(トッパー)/9cm~25cm(マットレス)
- 耐久性(密度):-
- メーカー保証:2年・3年
- トライアル:30日間(対象製品に限る)